WEBステージコーチング


トップページ>【002】林傳宝さん | 林瀚との出会いNew! | インタビュー |

●インタビュー
インタビュアー:横山みどり
通訳:林瀚(りんはん)
監修:江村典子
於:浙江省徳清県2006年3月
林傳宝氏

≪林傳宝氏プロフィール≫

1946年中国・浙江省莫干山生まれ
現在、万達竹業有限公司、湖州万達工芸品有限公司、コ清伊藤建設有限公司、香港万達国際実業有限公司の董事長(CEO)を兼務。
趣味は工芸デザイン、手品マジック、庭園デザイン、世界旅行など。

林氏の詳しい略歴>>

林傳宝氏のビジネス人生は、20数年前、従業員わずか5人の小さい工場からスタートした。竹の原材料を購入し、デザインから制作まで、みんなが寝ても一人でデザインしていた日々が続く。
はじめは中国国内市場しか見ていなかったが、海外へ目を向けるきっかけがくる。毎年春と秋に開催される中国出口商品交易会(通称:広州交易会)で、世界各国のバイヤーとの接点をもつことができた。はじめは竹の原材料の輸出からスタートし、その後製品の輸出を開始。

原料の竹
原料の竹

竹から何が作れるのか、最初は日本の竹製品を研究し、デザインも日本向けだった。
しかし予想に反し広州交易会では欧米人の反応が良かった。彼らの要望に応え商品も次第に大型にしていった。
今では(2005年)、世界56カ国との取引があり、ヨーロッパへはイギリス・ドイツ・イタリア・フランスはじめ20カ国以上へ輸出している。

Q.会社をていねいにご案内くださいましてありがとうございました。想像していた規模をはるかに超えた大きさにびっくりしましたし、整然としている工場内はすばらしいですね。たった20年でここまで大きくすることができたポイントは何でしょうか?

常に新しいものを創出すること(中国語では、『創新』)。アイディアがあったらそれを形にすること。そして『信用・品質・お客様』この3つを大切にしてやってきたことでしょうか。

インタビュー風景、レストランにて
インタビュー風景、レストランにて

Q.『創新』ですね、林さんの人生も創新そのものですね、工場を見せていただいてまだ拡大する様子を随所に感じましたが、今後はどうなっていくイメージですか?

 @萬達工芸品
 A伊藤建設
 B貿易
 C萬達米国会社
この4つで3〜4年後、会社は更にランクアップすると思います。
20数年やってきて困難はいろいろありました。でも、困難にぶつかったとき、あきらめるのではなくそのつど解決方法を考える。そういう20年でしたから。

林氏
林氏

Q.林さんのおだやかさの中にゆるぎない軸を感じます、その信念の原点はどこから来ているのですか?

若いころ貧しかった、政治的にも屈辱を受けました。でも3日間何も食べなくても、3日間寝なくても仕事はきちんとやりました。

〜新中国誕生前、林氏の父上が自分で働いて得たお金で土地を購入した。そのため『地主の子供』と言われ、文革時期に労働改造所にいた時期がある〜

工場の入り口
工場の入り口

Q.今は豊かになられていると思いますが、創業時から自分を駆り立ててきたものと今のモチベーションは違いますか?

今でも以前の苦しかったときのことを忘れずにいます。一歩一歩、地に足をつけて歩んでいます。だからこそ今でも『我以外皆師』の精神でいる。周りの人はすべて自分の先生である。豊かになっても年齢を重ねても新しいものをまわりの人から学び続けています。
 私の考えは、この20年はただ土台を作っただけ、そう思っています。ここからこの土台の上にどんな建物を建てるかを社員みんなで考えていく。今の規模の何百倍かの多国籍企業になるまでです。

〜林氏は、労働改造所にいた頃、故事成語の辞典を一冊丸ごと暗記したという逸話を持っている。読む本がなく、学ぶ機会に飢えてはいたが、我以外皆師。周りの人から何でも学んだ。学ぶ気持ちを失ったことは一度もない、と常々言っている。〜

Q.『我以外皆師』ですか、すばらしいですね。どんな厳しい環境でもその状況で師を見つける力は林瀚(りんはん)に受け継がれていますね。またこれだけの会社の規模がまだ土台だとおっしゃる、すごいことです。それは多国籍企業がビジョンだったのですね。そのビジョンはだんだん膨らんでいたのですか、それとももともと大きく描いていたのですか?

商売を始めた頃、自分はビジネスマンに向いていないと思っていました。あまり得意な分野ではなかった。でもやり始めたらなんでも最後までやる。大きくならないと意味がない、業界でトップにならなければね。

家族寮の舞台付き食堂
家族寮の舞台付き食堂

Q.工場を見せていただき、社員さんの顔に笑顔がありますね、会社の中に家族寮が完備しているのにもびっくりしました。働きやすい環境を用意していらっしゃる。社員さんに触れて感じたのは社長の社員にたいする愛情です。その愛情はどこからきているのでしょうか?

自分も若いころは職人だった、だから彼らのことがよくわかります。人と人の付き合いは平等であると思います。

人は成功するには努力(苦労)しなければいけない、娘の林瀚(りんはん)にもそう伝えてきたつもりです。

江村さんと再会した社員さん
江村さんと再会した社員さん
林氏の対等感から、社員さんは「認められている」「受け入れられている」「この会社に必要とされている」と感じ、この会社で長〜く働きたいと思うのでしょうね。6年ぶりに訪れた江村さんが昔からいる社員さんと再会を喜んでい るのをみて私もうれしくなりました。

江村さんと再会した社員さん
加工工程

Q.経営者としてのリーダーシップについてはどのようなお考えをお持ちですか?

社員の立場にたって、彼らの仕事中のムダを減らし同じ時間でいかに給料を上げられるか、いつも考えています。
あるとき、工場にビデオカメラを置き作業工程を撮影したこともあります。時間と動きを分析し改善を実施した。作業導線がちょっと変わっただけでかれらの成果も上がり給料もアップしました。
今も同じ立場で作業工程のムダをなくしています。

〜林氏は、いつも無駄を省くことに注力している。こんな逸話もある。農作業に従事させられていた頃、他の人は、田植えをする際に苗を持った手を腰の高さにして、田植えしていた。一見するととても忙しそうに動いてはいるが、実は無駄な動きだと看破した。苗を持つ手の高さをすねまで下げ、効率よく田植えを済ませた。〜

Q.林さんの社員への対等感はこの国ではちょっと珍しいと感じますが・・・

林瀚:だからうちはちょっとめだっている(笑)

Q.社員さんとはどんな話し合いの場をもたれているのですか?

まず、中国ではムダな会議が多い。
会議という名目でただ食事するだけです。国営企業は特にその傾向が強い。萬達は問題点を真剣に考える生きた会議をやっている。実際に仕事上で問題がでたらすぐに会議を実施しています。

従業員にとっては自分のボスが信頼できるか、自分を対等と思ってくれているかなど、リーダーシップといっても結局は人と人の関係、対等感が大事だと思います。

ひとりだけがすごくがんばって、きれいなデザインができても、魅力ある会社ではない。みんなの力がどうやったらひとつになれるか、実はそれが一番大切で、みんなの意識がひとつになるのを考えるのが自分の仕事です。

〜ここで面白い話をひとつ。林氏の会社には、親戚が入っていない。親族経営が当たり前の中国の中小企業では珍しいことである。これも、林氏のポリシーで、ひとりでも親戚を入れると社員の待遇に公平感がなくなるからだという。なので、萬達創業以来の同志、張大偉総経理、陸明君経理も全く血のつながりのない他人である。〜

Q.社員さんはひとりひとり個性的でそれぞれ強みがありますが、それをどのようにひきだしていますか?

竹を加工する従業員の皆さん
竹を加工する従業員の皆さん

人の長所を使って短所を受容するようにしています。人は必ず長所があります、それを引き出す。また人は必ず短所があります、短所を心に命じて会社に損失が出ないようにする。その人の長所をどのように使うか、たとえば竹だったら曲がっている竹は曲がった竹が利用できるデザインを与える。欠点を上手く利用すると、長所と同じように、もっと素敵になる。やり遂げたら、きちんと評価し給料に反映させます。

社員自らに責任を持たせ、誇りを持たせるようにしています。たとえば製品の工程が出荷まで6つあるとする。1・2・3・4・5・6の各々の担当が自分は3、自分は4という具合に自分の仕事に誇りを持っています。

経営を座学で学んだことは一度もないです、実際にやっていくうちに経営を身体で学んできました。

Q.「萬達らしさ」って何?

「『創新』(常にあたらしいものを創出すること)」。
中国の古典、『孫子兵法』に、100回戦った結果、たとえ100回全て勝ててもそれは決して立派な人ではない。どうやって戦わずして勝つか、他の企業と競争せずに勝つか、そしてどうやって相手の兵士までをも治められるかが立派な人かどうかの判断基準です。孫子兵法の考え方に基づき、新しいものを常に出し続けていけば、絶対に他の企業と戦わずに勝てる!

Q.夏休み、冬休み、春休みと、林瀚は日本に留学中、中国に何度か里帰りしましたね。そして日本に戻ってくると、その度ごとに、たった数週間なのに大きく成長しもどってくる林瀚がいました。その変化があまりにもすばらしかったので毎回どんなマジックをかけられてきたのかと思ったほどです。今の林瀚にどんな思いでいますか?

竹で作った室内装飾用の灯り
竹で作った室内装飾用の灯り

私たちが作った土台の上に、林瀚が何を建ててくれるか期待しています。

竹ではなく、他の分野へ行ってもその産業の中で更にあたらしいものを作り出す(それが萬達らしさ)、たとえばTVを作るようになったとしたら今の形でなく、今想像できないものを創造していく。 私は、それまで和風、庭園、園芸というイメージだった竹で室内装飾用の灯りを作った。その常識を超えるDNAが娘にもあるはずですから。

Q.そうですね、この4年間林瀚を見ていて林さんのDNAは確実に彼女の中にあると私も確信しています。壮大なビジョンをクリエイトする力とそれを現状とつなげる力、両方がすばらしくバランスしていて林瀚の可能性は無限だと思います。ゆえに萬達の可能性も無限です。

社員とのパートナーシップお客様とのパートナーシップ、宇宙とのパートナーシップを身をもって体感し日々実践されている林さんファミリーとの出会いは私の最高の宝物です。

多国籍企業になったときにはまた林さんにインタビューさせていただくことになると思います、私もそれまでに多国籍コーチになれるようがんばります。今後ともどうぞよろしくお願いいたします、ありがとうございました。

林ファミリーと工場見学した翌日からの観光
林ファミリーと工場見学した翌日からの観光
 
竹で作った室内装飾用の灯り
林氏と共に

トップページ>【002】林傳宝さん | 林瀚との出会い | インタビュー |
このページの先頭へ▲
● このサイトはグリーンコーチが運営しております ●
グリーンコーチ  〒462-0043 名古屋市北区八代町1−55

コーチングレターネット
トップページへ戻る